俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)
地下2階
階段を降りて章司が
立ち上まった場所は
霊安室の前。
『な…』
章司は無言で振り返り
そっと俺の肩を押した。
どういう事?何で霊暗室なんか…
早く優衣の家に行きたいのに
重いドアを開け
薄暗く肌寒い霊暗室に入ると
そこには
家に居るハズの優衣が
目を閉じ眠っていた。
『は?優衣…?』
幾ら呼んでも目を開けない優衣
『優衣、起きろって!なあ… 何でこんな所で寝てんの?てか少し痩せたよな… ちゃんと飯食ってなかったから。今お前の家行く途中だったんだぜ…』
「優斗… 」
穏やかな表情で眠る
優衣の体は冷たくて
章司に名前を呼ばれ肩を掴まれた俺は
やっと今の状況を把握する。