俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)
残伝歌
本格的な寒さを迎えた2月中句…
今日も女と会っていた俺は真っ直ぐ帰宅。
まあ帰ると言っても帰る場所は連れの家
何をしても楽しくなければ
何をしても心から笑えない
最近はそんな毎日を適当に過ごす
俺は
寒さのあまり自分の両手を
擦りながら息を吹きかけた
『寒… 』
今日は曇りか…
灰色の空を見上げながら
ボーッと街を歩いていた
- ドンッ -
「いってえ…テメェどこ見て歩いていてんだコラ!!」
肩がぶつかり腹を立てて
絡んで来るヤクザ風の男
『すんません』
「何だぁその謝り方?おちょくってんのか?」
『別に』
「なんやコラ!?」
無表情の俺に対して男は更に腹を立て
俺の胸ぐらを思いっきり掴む。
『……。』
街を歩く人は俺達のやり取りを見ているが
皆見て見ぬふり。