俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)


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「優斗もう1回!!」



優衣がまだ生きていた頃…



『は?もう5回目…』



「いいの!あたしは優斗の歌声、世界で1番大好きなんだもん♪」



『……// 』



「あ、照れてるー?」



『うるせ…//』



優衣に向けて何度ギター片手に
歌ったかのか解らない程歌った



優衣は俺の家に来ると



必ず壁に立て掛けてあるギターを
勝手に俺の所まで持って来て



" 弾いて " と、おねだりして来る…
そんな優衣がとてつもなく可愛かった。



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『……。』



俺は彰人の歌を聞いて
優衣との思い出を思い出していた。



「優斗」



歌うのを辞めた彰人に呼ばれ
我に返った俺。



『え…』



彰人は座っていた石段から立ち上がり
真剣な表情を向け俺の目の前に立つ。



「俺…お前の歌聞いてみたい」



そう言って
彰人は穏やかな表情で笑った。


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