シンデレラの王子は。

世間的に言うと違反行為らしいけど、悪いことって分かってるけど、そんな自分を嫌なんて思ったことないし、もちろん結城先生のこと嫌な大人なんて認識したことは1回もない。それに結城先生は大学生らしいし、まだ違反にはならないよねって、都合いいように理解していた。
さっきまで結城先生が入ってきた部分がヒリヒリ痛くて、その時のことがフラッシュバックする。
そして、いつの間にか眠ってしまった。


それから 何日か経った日。
アタシは毎日ある卒業式練習の愚痴を家で溢していると、ママが家族会議をするからと集まるように言った。産まれてきてから家族会議なんて、1回もやったことないのに、急にどうしたのだろうと、疑問に思う双子。しかし、多分祐紗兄の話だろうと祐紗兄の顔を見れば大方予想はついた。今日も父はいない。アメリカに単身赴任なので当たり前のことだが…。4人でテーブルを囲んだ時にママは口を開いた。
「祐紗から報告があるらしいの。ほら、自分で言いなさい」
いつもはうるさい架嗄も、この時ばかりは流石に静かにしていたのを覚えてる。
「実は…来年。つか、今年の4月から正式にELUCAのメンバーとして、バスケ出来ることになりましたーー!!!」


< 10 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop