シンデレラの王子は。

意外に強めで背中を押され、飲み物を持って移動。いつのまにかいた。てきなかんじで、そっと空いている椅子に座ろうとしたが、空いている椅子がない。あたふたしていると、さりげなく席を立ち椅子を他のテーブルから持ってきてくれた人がいた。
「ありがとうございます!」
「どーも」
流石。一ノ瀬さんはよく気がつく大人な人。
チア達と選手はとても仲が良くて、、やはり恋仲の人もいるみたい。今日の試合の話から、あるある話みたいなので笑いが絶えず、かなり周りに迷惑なほど騒ぎまくる。でも、そんなこと、店内にいる常連は慣れたものらしく、今日もお疲れ~と話し掛けて来たりするのだ。ELUCAのファンには持ってこいのお店だ。
「ねぇねぇ。そういえば、この女の子は誰のコレなの?」
チアの一人が右手の小指を立てながら、選手に問う。
初なアタシにも、それくらいの意味は解るぞ。ていうか、誰のコレでもありませんから。
「違う違うっ!!こいつは俺の妹の羽海」
「えっ、祐紗、妹いるの?!初耳ぃ~」
興味津々にアタシの顔をじっくりと観察する。
近い近いっ、しかもなんか怖いです…。
「ふーん、可愛いじゃない」
「なんだよ、その反応は。」
「だってぇ~」

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