シンデレラの王子は。
けれど、それを実現できる人は本当に才能がある人でなければいけないということを知ってしまったため、断念した。
そんなアタシの目の前で兄達は夢を一心に追い掛け、実現するから、アタシの劣等感が育つのはそう時間はかからなかった。でも、すごく羨ましかったんだと思う。
祐紗兄は才能があって、架嗄は沢山努力できる。アタシには何が出来るのか。
この先には、未来という名の道が通っているのだろうか。今は一寸先は闇としか言いようがないが、いつか光を差して見せる。
「お前ら、2件目行くぞ~」
「青山さんっ!!」
みんなは青山さんに付き合ってあげるみたいだけど、アタシはガキなんでそろそろ帰宅しなければいけないし、呑む相手になれないのでここでお別れとした。
「それじゃ」
「またね~♪」
少しだけ、まぁ知り合い程度だけど仲良くはなれたかな。
挨拶をして、逆方向へ歩みを進める。帰りがけにナオコさんになぜか缶ジュースを2本託された。しかも高そうなヤツ。
意外と楽しかったな。一気に友達がたくさんできたみたいで、ワクワクした。それに、全員年上の個性的な大人ばかり。また差し入れしに行こうかな。
「-----わっ!」
後ろから急に驚かされて、飛び跳ねた。