シンデレラの王子は。

誤解を解こうと頑張ったが、高橋くんはどうも腑に落ちない顔をしていた。
「てか、本当に今日暗いよね。こっちまで調子狂うんだけど」
「別に暗くねぇし。つーか……どっちのせいだと思ってんだよ」
「なんで、アタシのせいにしようとしてんのよっ!!!このネクラめー」
「うっせぇ」
アタシはハッと思い出し、バッグから缶ジュースを取り出し、どっちがいいか訊ねた。
「桃」
「意外、絶対にミカンの方だと思ってた」
「普通、桃だろっ」
「女々しいとこ発見」
「なんで桃で女々しいんだよ」
ギャップが半端じゃないな~(笑)
ブランコから降り、ベンチへ移動して彼の隣に座った。
「アタシ、ミカンがよかったから逆によかったよ~」
右手の桃ジュースを差し出そうとする。
「-----と見せかけて、ミカンもーらい♪」
「あぁぁぁぁああぁぁ!!!!!!盗られた~」
桃ジュースを受けとろうとする、からのミカンという-----。ミカンがよかったのに。。。
「これ旨ぇじゃん!?」
口を尖らせて彼を羨ましそうに見てやった。
「解った解った。やるよ、ほら」
ニヤニヤとジュースを差し出す。
「ありがと…って、飲みかけじゃん!!!」
「ナイスノリツッコミ」

< 111 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop