シンデレラの王子は。
きっと、君から見たら重い女だよね。
うん。解ってるよ。だってまだ、引きずってるんだもん。それで、他の人を好きになれないんだよ。本当に笑っちゃうよね。
次はブーケトスだといって、多少ざわつき初めた。ブーケトスって女の子の憧れだからね。アタシにとっても憧れだけど、このブーケはなんだか貰いたくない。一応、そこには行ったけれど、参戦していないにも程があるってかんじだ。
式は終わりを告げ、そのまま宴の方へ流れて行く。もちろん、アタシ達も混ざって流れていった。
新郎新婦の挨拶やらなにやら、たくさんのプログラム。
でも、思っていたより自由に動き回ってた。←豪華バイキングだったからね。
それにしても、先生の奥さん(?)綺麗な人だな。悔しいけど。色白で、ドレス姿がお姫様みたいで、見とれてしまうほど。それに比べてアタシは、ボロ布を着た雑用係のシンデレラ。魔法使いはまだアタシの前には現れないの。
「羽海、ヤケ食い?
そんなサラダばっかり盛っちゃって」
「-----ん?」
手元の皿には山盛りのサラダ。ボーッとしていたら手だけが勝手に動いていたらしい。
何も言わずにアタシの皿の上から、空未の皿へ移す。
今日ばかりは大目に見てよ。
「まったくー」