シンデレラの王子は。
「あの時俺、神谷が来てたの知ってたんだけど、
そん時、妙に調子良くてさ……だからなんだって言われたらそれまでだけど…」
決してアタシの顔は見ずに話す。
「上手く言えねぇけど、俺が調子よかったのの0.000001%ぐらいは神谷のおかげっつーか、
…そんなかんじだから、そのっ、サンキューな」
「べ、別に、高橋くんのこと応援してなんかなかったしっ」
「-----それでも、元気貰ったから」
お礼なんて、性に合わないことするから、こっちが調子狂うよ。
「-----今度は、俺様のこと応援してもいーぞ」
出ました上から。
「遠慮しておきます」
「いや、冗談抜きで……俺のこと応援しに来いよ。今度は絶対勝つから」
何、ボールで顔隠して照れてんの?らしくないじゃん。アタシの前では、そういう顔しないんじゃなかったっけ。
「神谷、俺のバスケ褒めてくれんじゃん?
そんなこと、誰にも言われたことなくて、すんげー嬉しかったから、俺のバスケで勝つとこ、神谷に見せたい」
自惚れちゃうじゃん。
「うん、今度応援しに行くよ」
女子の扱い方解ってない人って、逆に恐いね。
アタシ!!!高橋くんにはあいあいという、可愛い彼女がいるんだぞ。