シンデレラの王子は。

「そういえば、アタシ、バスケのルールいまいち解ってないから教えてくれない?」
急に話題を180度変える。
「は?そんなの、ゴールにボール入れたもん勝ちに決まってんじゃん」
そうなんです。そうなんですけど、アタシが聞いてるのはそういうことではなくて、細かい反則(?)的な方のルールのことで。。。
「それぐらいは知ってるよ!!いろいろ細かいのあるでしょ?」
「あー、あんなの関係ねぇよ。ボール奪って入れれば勝ちなんだから」
THE テキトー!!!!
それ、答えになってませんから…。
「いつも見てるばっかじゃ、つまんねぇだろ。やってみっか?」
「いいの!?」
「おぅ」
ほら、といってブランコに座っているアタシにパスをする。胸の前でキャッチして、立ち上がる。
ボールは意外に重くてざらざらしていた。
「意外に重い…」
「そうか?俺、いつも持ってるから解んねぇけど」
家にバスケのボールは2、3個転がっていたけど、触った記憶はあまりない。
兄たちは大事そうに常備していたから、触っちゃいけないと、どこかで思っていたからだと思う。
体育は大っ嫌いだけど、球技は大好き。多分、技術は伴ってないと思うけど…
ボールをついてみる。
『ダンッ、ダンッ、』

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