シンデレラの王子は。

幼稚園からの付き合いだけど、こんな剣幕の空未は今までに見たことがない。
「こんなの書いたヤツ、誰?」
黒板には……
“三浦先輩に手出すな”、“神谷羽海は汚いよー”、“登校拒否の理由は犯されたから”、“最低女”、“男子は気をつけて”“○日の放課後に教室でヤってた~”。
その他いろんなことが書いてある。
誰も空未の問いには答えない。
周りのみんなの視線が引いてるような、突き刺すような、冷たいかんじ。
空未が黒板に書いてあったことを、跡が残らないように消してくれた。
アタシはここに立つのもやっと。
誰にもあの日のこと言ってないから、なんで、こんなことになっているのか解らない。
もしかして、誰かに見られてた?そんなの確率的に低い。
それとも、三浦先輩がバラした?それはあり得るけど、なせ、こんなに時間が経ってから蒸し返すのか。
こんなの…こんなの…
「-----今度、羽海になんかしたら、全員シバいて誰がやったか突き止めてやるから」
空未はアタシが浴びていたみんなからの視線の分、冷たい怒りに満ちた瞳で周りを見渡してからアタシのところまで来てくれた。
「ホント、可愛い羽海ちゃんは大変だぁ。いっぱい妬まれちゃって」

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