シンデレラの王子は。

「-----噂は全部本当のこと。りっくんが前に言ってくれたアタシのアリバイも本当。
でも、その後の事だから、アリバイ不成立だね。」
虚ろに、ははっと笑うアタシを哀れむ様に見つめてくるの。そして、手をギュッと握られたかと思うと引き寄せられて抱き締められた。
「-----また気付いてあげられなかった…ごめん。くぅ、親友失格だぁ。」
顔は見えないけど、震えた声だったから泣いてるのかなと悟った。
「く、空未?」
「-----一ったく。1人で抱えて、倒れそうになって、支えるのはくぅの役目なんだから強がらないでよ!
羽海は泣き虫で脆いって知ってるんだからね、くぅの見えないところで泣いたら、涙拭ってあげること出来ないでしょ?」
空未に打ち明けて、もし拒絶されたらどうしようって、アタシの中の存在感が大きい分、そんなことされたらダメージ大きいの解ってたから、余計に話せなかった。
引きこもった時、心のどこかで空未に知られたらどうしようという気持ちが渦を巻いていたんだと思う。
その事と結城先生の事を抱えていたから、いろいろなモノで紛らわしてたけど。。。
空未は解ってくれた。
打ち明けたあとは気が楽になった。肩の荷が降りたかんじ。


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