シンデレラの王子は。

アタシの一言で、不安そうな顔をしていたのが一気に晴れて、拳を握って上から思いっきりガッツポーズをするの。
「まじで?やべっ、すげー嬉しいわ」
そんな喜んでくれるなんて、一ノ瀬さんて、本当に子供っぽいところあるよなぁ。
ニカッて笑ってくれるから、アタシまでニコニコして、可愛いなぁ、なんて想っちゃったりする。
「いつにしますか?」
「俺、練習ない日が20と来月の9日しかなくて、そのどっちかが空いてたら助かるんだけど…
もしダメだったら、俺がスケジュール空けるし、」
「ダメです!!練習休ませるわけにいきませんから、アタシ暇人だからいつでも空いてます。」
「まじで?
じゃ、早い方がいいから20日でいい?」
頷く。
よく考えたら20日って……明後日!!

服とか靴とかどうしよう。メイクってしてった方がいいよね。多分。
一ノ瀬さんは祐紗兄と同じ年齢なんだから、4つ上な訳で、やっぱり一ノ瀬さんは大人だからアタシだって背伸びしたい。
「-----で、買い物に付き合ってほしいと。」
「うん。」
「落ち込んでると思ったら、男がいたなんてねー」
空未はニヤケながらアタシをじろじろと見てくる。
「違うって!!一ノ瀬さんはそういうんじゃなくて…」

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