シンデレラの王子は。
アタシが『うみ』で、先生が『りく』か。なんか運命感じちゃうかも。
「りーくー君♪」
「なぁーに♪」
ふざけてみた。
「アタシ、観覧車乗りたい」
「ばーか、最初はお化け屋敷に決まってんだろ!!」
ウキウキとアタシの前を歩き、地図を見ながらお化け屋敷に向かう。
本当に子供みたいだな。
大きな背中が誰かと重なる。
不思議なあの人の背中、腕を引かれている幻覚を覚える。急に切なくなるこの胸。
「羽海、ここだよ」
満面の笑みで振り返る…そこにいるのは琉葵さんではなく先生だということに気付き、はっとして苦笑いしてる自分がいた。
「お化け屋敷、苦手だから嫌だな。」
考えてることがバレないようにしなければならないと、何故か咄嗟に思っていた。
「そういうと思ったから来たのっ♪」
アタシ、なんで琉葵さんのこと考えてるんだろ。
しっかり先生の話聞いてるつもりなのに、全部全部、右から左へ通り過ぎていくのは、
「そっか」
なんでかな。アタシが好きなのは、大好きなのは……先生なのに。
「おーい、俺の今のドS発言流すなよー。」
「あっ、ごめん。」
「今ボーッとして、俺の話聞いて無かったでしょ」
「ううん、聞いてたよ!?」
嘘。
「そうか。ならいんだけど」