シンデレラの王子は。

何もよくなんかない。でも、先生の隣に居れば居るほど、頭が先生でいっぱいになるの。
列の最後尾に並ぶ。開展が早く、すぐに入ることが出来た。乗り物に乗って進む型式だったため、目を閉じていたら、そんなに恐怖を感じずに終わることができた。
だって、今時、ありがちに悲鳴上げて好きな人に抱きつくとか、典型的な重い女子の行動か、いかにも『アタシは可弱い兎ちゃんです』アピールみたいで嫌でしょ。
お化け屋敷を出た後、いろいろなジェットコースターを巡った。
「あー、つまんねーの。」
アタシの目には凄く楽しそうに映ってた先生。頭上にはハテナマークが浮かんでた。
「だって、普通、お化け屋敷とかジェットコースターとかで、彼女が『キャー』とか言って抱きついて来たりするもんじゃねーの?」
えっ…。
これは裏目にでたパターンだ。計算ミス。そうだ、先生のタイプはぶりっ子ってことをプラスするの忘れてた。
「ごめん」
「ま、いーけどさ。」
と言う先生だけど、完全に機嫌悪くてちょっと萎縮気味。しかも、もう少しで4時を廻る頃。
最後に向かったのは、1番乗りたかった観覧車。だけど、今のタイミングで乗っちゃいますか?!ってかんじ。
並んでる時も何も話さないの。

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