シンデレラの王子は。

「あー、架嗄はねー。急に強豪チームに移転したと思ったら、やたら花咲かせちゃって、この間、県の新聞に載ってたよ。
その見出しが笑っちゃうんだよ!!『100年に1度の逸材!!』とかなんとか書かれちゃって。家では相変わらずうるさいし、走り込んで努力してるよ。」
話を聞いてる祐紗兄は、凄く嬉しそうで
「そっか」
プロデビューしてから、祐紗兄の架嗄へのライバル意識みたいなモノが半端じゃなかった。たまに会ったと思えば、バスケと架嗄の話ばっかり。アタシの立場ないし。アタシの話だって聞いてくれたっていいじゃない!!!
最初は、なんであんな下手っぴの架嗄をライバル視してるのか理解出来なかった。だって、祐紗兄はバスケ界のエリートの道をずっと歩いてたから。
でも今は、分かる気がする。祐紗兄は、架嗄がバスケの才能あること1番知ってたんじゃないかなって。だから、それを分かってない当の本人に気付かせるため、説教したのかなって。
「2人でやったら、すぐ終わったな。」
一通り片付いたら、立ち上がって腕時計を見る祐紗兄。
「うん。祐紗兄が来てくれてよかったよ。ありがと」
「んじゃ、俺行くな。今からデートなんだよ♪」
彼女いたんだ、初耳!!どんな人か見てみたくなる
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