シンデレラの王子は。
お互いのこと何でも知ってるから、嘘もつけないし、ついたとしても即行バレるし、ちょっと都合悪いと弱点突いてくるから、口喧嘩の勝率は同じくらいだけど、肝心な時に空未はめちゃめちゃ強い。
渋々玄関を開けてやった。
「めちゃめちゃ綺麗じゃん♪くぅの部屋どこ?」
「図々し過ぎだから」
「今頃、気づいた?」
いつもの下りです。
「知ってましたー」
でも、空未が来てくれたおかげで暇な時間が無くなった。良い意味でも、悪い意味でも。結局は1人暮しの予定が変更となりまして、空未とのルームシェアという形となりました。
引っ越し祝いで空未が持ち込んだ蕎麦を湯がいて、ざるそばとして美味しく食べた。
風呂も入ったし、顔も洗ったし、歯も磨いたし、寝るばっかだ。
「つーか、くぅのベッド明日届くから今日だけ羽海と一緒に寝ちゃダメ?」
「別にいーけど、布団用意したんですけど。」
どうも布団で寝れないらしい。初めて知りましたけど、まいっか。
今日は本当に早く寝なきゃ、明日は高校の入学式だから、遅刻するわけにはいかない。髪もトリートメントしたし、第一印象が肝心だからね。
うるさい空未を横目に、そのまま夜は更けていった。
「空未!!!早く起きてっ」