シンデレラの王子は。

やっと終わったかと思うと、空未は隣で爆睡してたから、然り気無くつついて起こしてやった。幸い物音たてずに静かに起きてくれたからよかったけど、新入生代表の言葉みたいなのが始まっちゃったかんじだった。こういう時は、イケメンが出てきてスラッと言葉言って、その人に恋しちゃう♪みたいなかんじを予想してた…のに、見事にモサイがり勉君が出てきて、しかも話が長いっていう最悪加減、半端じゃなかった。

式は無事、終了。
その後は各クラスに向かい、教科書や配布物が配られ、軽く自己紹介をした。
クラスはA~Dまで在って、アタシと空未はB組。ちなみに、あのモサイがり勉君とは違うクラスだった(笑)
それに2つ良いことがあった。空未と席順が前後だったことと、席が隣の男子と意気投合したこと。
名前は『陸』っていうの。
名前聞いた時、脈と時間が止まったと思った。顔がひきつってしょうがなかった。
ここでも、また先生のことを思い出させられるなんてね。いつになれば、先生の呪縛から解き放たれるの?残酷だよね。どんなに突き放されたって、酷いことされたって、好きだよ。忘れたいのに、忘れられない重い女なの。

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