シンデレラの王子は。
してないよね。たぶん。気づかない内にしてたかもしれないけど、こんなの送ってこないでよ。
先生のせいで、明日は目が腫れるの決定だ。
「…ばかっ、…だいっ…きらい」
「センコウから?」
彼は心配してくれる。
アタシは携帯を見せながら言う
「…見てよ、コレ。……笑っちゃうよね」
大粒の涙は、これでもかってくらい降る。『大好きだっただいっきらいな人』のために流す涙は汚い気がして、一回も拭おうと思わなかった。好きだった時は、困る顔させたくなくて、どんな時でも笑ってて欲しかったのに、今は笑って欲しくなんかないし、むしろ、困らせてやりたい。いっぱい困らせてやりたい。
「ちょっと貸して。」
そういうとアタシの手から携帯を奪い、何かをやっている。空っぽのアタシは何を考える訳でもなく、それを黙ってみていた。
「はい、できた」
パタッと携帯を閉じ返却された。
中を見ようとすると彼は言う
「お前に嫌がらせしてやった。さっきのメール消して、センコウのアドも削除した。
せいぜい困れ」
目を反らしてそういう。
「えっ、」
「お前のアドレスも変えてやろうと思ったけど、それはさすがにやべぇなと思って止めといてやった。感謝しろよ」