シンデレラの王子は。
それって、先生からのメール、来ないようにしてくれるため?
「勘違いすんなよ。めそめそ泣いてんの、腹立ったから、嫌がらせしただけだから」
口を尖らせる。
「……」
「ったく、鈍いなー」
呆れたように頭を掻いた。
「泣くな」
真顔で言われる。
今、ちょっと照れて腕で口元を隠した。
泣いたら、お腹空いた。
「なんか、ちょっとだけ吹っ切れたかも」
「俺のおかげ」
「10分の1ぐらい」
「少なっ」
「嘘。…3分の1」
かわんねぇよ、って笑ってボールをつきながら立ち上がってその場からシュートし、そのボールは綺麗な弧を描いて、リングに当たらずにゴールした。
よし!!とガッツポーズしる。
アタシまでテンション上がって、「すごいよっ!!!」
なんて言って、ハイタッチなんかしちゃったりした。
彼はシュートしたボールをドリブルしてきて
「今度、バスケのクラブチームの全国大会があんだ。それが、順調に行けば、俺の因縁のライバルと決勝であたることになっててさ。」
この程度じゃダメかな、と自信無さげに言った。
バスケのことになると人変すぎ。
「そっか」