シンデレラの王子は。

「そいつすげーんだ。スリーポイントシュートは外したことねぇし。ありえねぇよ。
初めて観た時は正直、衝撃的だった。
初めて練習試合させてもらった時は、あっさり負けちまったし。。。それで、『なんでそんなに強ぇんだよ』って聞いたんだよ。そしたらさ、『出来の良い兄貴を追い抜かしてぇから、毎日走り込みとシュート練とかやってる』て言うんだよ。だから、俺もそいつ追っ掛けて毎日練習してんだ……わりぃ。語っちまった。」
強い人程、努力家なんだ。
出来の良い兄貴追い掛ける弟か。まるで、祐紗兄を追い掛ける架嗄みたい。
「全然、大丈夫。全国大会頑張って!!」
「おぅ」
そろそろ帰らないと空未に怒られちゃうね。
「アタシ、そろそろ帰らないと」時間は7時半だった。
「吹っ切れさした礼に、今度おごって。」
という、図々しい要求。
「うん、いいよ」
と笑顔で応じた。
「まじで?!じゃ、高いとこリサーチしとく」
「無理、アタシまだJKだから!!!せめてコーラで」
おごったことにならないからと言われ、結局ファミレスでということになった。
公園を出てからも、あの音が耳に運ばれてきた。

「ただいま~」
家に着いたら、予想通り空未の雷が落ちてきた。落雷警報発令。


< 51 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop