シンデレラの王子は。
1時間半も何してたんだって、そりゃそうなりますよね。でも理由を説明したら一転、その人のこと好きなの。とか、名前なんていうのとか、……名前、知らない。名前知らない人と公園でなんか仲良く(?)なっちゃって、話聞いてもらって、家まで送ってもらって。そういえば名前聞いてなかった。
寝る間際まで、その人の事をずっと問いただされていた。でも、答えられることは少なかったな。
時が過ぎるのは早いもので、入学してから2ヶ月が経つ。
朝、大声で空未を起こすことにも慣れ、あれからも相変わらず公園に通っている。無論、彼と話すためだった。話している空未と話している時ぐらいなんでも話せるから、ありのままの自分が楽だった。学校では空未とアタシのコンビに『あいあい』こと美島愛莱が加わり、通称B組の名トリオとなっていた。あいあいは可愛くて、頭がよくて、背が高くて、隣にいるのが申し訳ないくらい。それに劣らない空未の美人さがただ眩しい限りで、アタシの劣等感といったらなかった。
男子には無駄にちょっかいを出され、話しやすいのか知らないが、やたら冗談を吐かれては笑わせられた。
そんな矢先の大事件パート1だった。