シンデレラの王子は。
内申はどうだか知らないが、テストで一位じゃなかったことは入学テストだけだ。ちなみにアタシの学年の万年二位で有名なのが、懐かしのあのがり勉君。三位はあいあい。
やる気0なのにサラッと一位かっさらってくのが、かっこいいという訳の分からない理論で人気者のりっくん。このアホ面で隣に居られたら、そんなこと言えなくなるぞといつも心の中で思ってた。でも、友達としては『いい人』の分類。そういう人いるでしょ?
午前の授業も終了し、昼食タイム。
いつもの3人で財布を持ち、食堂に向かう。
食堂に行くだけなのに、何度肩をトントンされ振り返ったら、頬をブスッと刺されたことか。なぜ、アタシだけ…空未とあいあいにはやらないくせにィーーー!!!!!
「Aランチ3つ下さい。」
あいあいが食堂のおばさんに言う。
「1Bの美少女3姉妹はAランチね。」
「やめてくださいよっ」
あいあいが笑って言う。
いやいや、3人じゃなく2人です、と訂正。
「何言ってるの、有名よ。美少女3姉妹って」
「初耳です」
おばさんは笑って、Aランチを差し出した。
アタシ達は照れながら、空いてる席に2(空未とアタシ):1(あいあい)で向かい合って座った。
「初耳なんだけど」