シンデレラの王子は。
勘違いされるような行動とってないよね、普通に話してるだけ。よし、大丈夫だ。変なことはしてないぞ。
「今日も数学の時、りっくんつついてかまちょしてたもんねー」
「あれは、『起きろよ、おい』という意味を込めてですねー…」
違う違う違う違うっ!!!
しかも、今日もって何。『も』って。
「そうなの?りっくんとうーちゃんは両想いだとばっかり…」
「なに、なに~?僕と誰が両想いなの?」
はぁー、余計なのが入ってきた。
「えっとね、りっくんと~…」
チラッとアタシを横目で見る。
「ダメッッ!!……っというか、ほらっ、それが間違いだったら、可哀想でしょっ!!だからっ」
なぜか焦って立ち上がるアタシ。なんでアタシが焦らなきゃいけないの。
「うーちゃんがそう言うなら…」
本当、空未とあいあいは意地悪だ。りっくんは興味津々だったのにアタシのせいで聞けなくなったから、あたしに当たってきた。
「何言ってんだよ!話聞く気満々だったのに邪魔してー」
「ごめんなさいー」
絶対思ってないだろ、って言われてそっぽを向いた。
「痴話喧嘩始まったよ」
「痴話喧嘩じゃない」
声が重なった。おーっと2人に関心されたけど、何も嬉しくないよ。