シンデレラの王子は。

「でも、さっきの話聞いたって、りっくん好きな人いないんだから意味ないじゃん」
「僕、いつ好きな人いないなんて言ったかな。もしかして、神谷は好きな人いないの~?」
なんか、ばかにされたし、ムカつく。好きな人いるなんて初耳だし。
「りっくん好きな人いるの?!」
アタシよりも、異常に反応していたのは2人だった。クラス中の女子が一斉にこっち向くし、その時の目といったらめちゃめちゃ怖かったね。
「それは、いるでしょ」
しかも、普通に答えるという。。。やっぱり、私か~って女子達がどれだけ思ってたか知らないめでたい王子。
授業中もなんかざわざわしていたのは、その発言のせいだと思う。王子はみんなのモノだと割り切って、誰も手を出したりしなかったけど、今そのつけが廻ってきた的なね。授業中に何回もこれ、りっくんに渡して、とメモ的なモノが回ってきたことか。アタシは郵便局かっ!!違うぞ。
そして、答えが書かれたそれを逆回りに回す。確認するけど、アタシは郵便局じゃないっ!!
それを2時間中されたら、たまったもんじゃない。メモを回して何が楽しいんだか。
でも、それが終わったときは解放感ヤバかったね。ホント。

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