シンデレラの王子は。

そして、放課後には委員会があり、長引いたら悪いと思ったので空未とあいあいには先に帰ってもらった。
一通り終わって、資料を先生のところに持って行った。お疲れ様、今日は帰っていいよ、と了解を得、借りていた本を図書室に行った。
図書室には誰もいなくて、静けさに包まれていた。
携帯で時間を見て、もう夕方かー、と思いながら机に置き、本棚に本を戻し、図書室を出た。教室に向かう時、三年の教室の前を通る。3Aの教室には人がいるらしくて、電気が点いている。覗いたら三浦先輩だった。アタシに気付いたらしく何かを書いていた手を止めて、こっちに来る。
ちょっとでも、よく見られようと髪を手ぐしでとかす。
「ちょっと、暇だから遊び相手になってくんない?」
これは夢だ。まさか、そんな三浦先輩がアタシに話しかけてくるはずがない。
「ねっ、ちょっとだけだから」
本当かっこいいけど、防衛本能が働くのはなぜ?
「アタシ、これから用事があるので」
逃げなければと思った。
「待てよ」
なんで。あー、アタシばかだ。もう一生、三浦先輩と話せないかもしれないのに、なぜ逃げる。
心の底から後悔。
やっと、教室に着いた。
鞄発見!!!
そして、余計なのも発見。

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