シンデレラの王子は。

嫌だ、あの時と同じ。また汚される。胸を触られ、机から床へ。
「…んぁっ……」
「あんま喘ぐと先生来ちゃうよ?」
口を塞がれる。下着を脱がされ、挿してくるの。
涙が止まらなかった。まただ。どんどん汚くなる。抵抗するともっとヤられる。
こんなんで感じて、イっちゃいそうになるアタシにムカついた。必死で歯をくい縛って喘ぎを抑えようとしても、声が漏れる。
嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌っ!!!!!もう勘弁してよ。こんな人、何にもかっこよくなんかない、ただの欲求不満男じゃない。
助けて…あの人が脳裏に霞む。


どういう顔すれば良いんだっけ?あの時はどうやって這い上がったんだっけ?
誰かに拐ってもらったような。
アタシは汚い女。恋だの愛だの、言ってる場合じゃない。
向かったのは公園。
誰もいなかったから、一人で泣けると思ってアタシの特等席に座ったの。でも、すぐにあの音を奏でてやってきた。
「また泣いてる」
「今日は放っておいて」
「何それ、じゃなんで来たんだよ」
この汚れた姿を見せたくないのに、足を運んでしまった。公園に行ったら、絶対会ってしまうと分かっていたのに、なんで来ちゃったのかな。一人になりたかったからなんて、きっと嘘だ。

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