シンデレラの王子は。
その時、ビクッと怖がられたことにショック受けた。
いい友達になれたと思ってたのに怖がられた、ってさ。そうしたら、何も言えなくなった。一人にさせといた方がいいのかなって。
はっとして、アタシは暴走していたことに気付く。触らないでと言ってしまったことにも。その顔は絶対に誤解してる。違うよ、三浦先輩と思ってしまったから、そういうこといっただけで、彼自身に言ったわけじゃない。
そう言って、誤解をを一刻も解いてやりたかったけど、声が出なかった。
「俺、帰るな。気ぃつけて帰れよ」
いつもは、そんな優しいこと言わないくせに、いつも『子供はさっさと帰って勉強でもしとけ』とか言って、アタシの身長のことをばかにしてくるくせに。
公園には一人になってしまった。
本当は、この世界に独りぼっち、置き去りにされた。やっぱり、助けてはもらえなかったよ。
「どうすればいいか分からないよ…」
涙も震えも留まらない。
このままここにいても、しょうがないと思い、公園をあとにする事にした。
よろめきながらとぼとぼと歩く。いつもより道が長く暗く静かで、恐く感じる。すれ違う男の人がみんな先輩に見えて、なるべく下を向いて歩いた。