シンデレラの王子は。

りっくんは気まずいはずなのに、普段通りに接してくれて、アタシの身体のことまで気遣ってくれた。本当にいい人過ぎて、大丈夫だよと心配かけないように笑顔でいた。
帰りは空未とあいあいと一緒に帰ろうと、学校から出たときに、見覚えのある他校の制服を着た男子がフェンスに寄りかかり、携帯をいじっていた。
「かなぁー♪♪」
あいあいはその人の方にルンルンと走って行く。
取り残されたアタシ達はなんのことやら、唖然としていた。
「空未ちゃん、うーちゃん、この人が私の彼氏だよ♪」
彼氏?この人が?
噂の公園の人じゃん!!?
あいあいの彼氏さんは、照れながらこっちを向く。
「あー、お前っ!!!!!」
指を差されてめちゃめちゃ驚かれる。
「女子に向かって、指差してお前って何?本当失礼なんだけど」
「何?かな、うーちゃんと知り合いなの?」
「知り合いというか…」
空未は隣で興味津々にもしかの二股?とか、ワケわからないことを囁いてはクスクスと笑うから、違うと何度も弁解した。
「…友達!!…だよね?」
「おぅ、友達!!」
友達か。自分から言ったくせに、なんか安全地帯ってかんじで引っ掛かった。…でも、『友達』…なんだよね?
「なーんか、妬けちゃうなぁ」
えっ?

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