シンデレラの王子は。

「…嘘だよー♪」
なんだ、びっくりしたなぁ。その後はひらひらと手を振り、二手に別れて帰った。
「てかさ、あんなあいあい初めて見た」
うんうんと頷いて見せる。
ルンルンと引っ付く姿、その隣でたじたじのアイツ。本当にムカつく。何照れてんの、らしくないじゃん。アタシと話してるときそんな顔したことないくせに!!まじで、なんなの。むしゃくしゃする。
「で、羽海とあいあいの彼氏はどういう関係なわけ?」
「だから、さっき言ったでしょ、友っ……友達だよ。ただの友達」
「じゃぁ、なんでそんなにイラついてんの?」
アタシの顔を覗きながら、答えようのない質問をする。
「なんか分かんないけど、ムカつくのっ!!デレデレしやがって」
「あーそーなの」
なんでもお見通しの空未は、答えを見つけたように笑った。
むしゃくしゃしたまま、携帯をマナーモードから切り換えようと開いてみると、一通だけメールが着ていた。
架嗄から。
かなり期待を裏切られた。

『明日東京で全国大会あるから、明日泊めて((>人<))』

「誰から~?」
「空未さんが好きな架嗄ですよー」
「架嗄ぁっ♪なんて?」
「明日泊めてって。絶対無理だよね、女子の部屋に男が泊まるとかさっ」

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