モテキ
「よう、雄大、華月」

「おはようございます」

「おう、遼」

黒のベンツから降り立つ彼は

華とも、雄大とも違う

引き締まった身体、高い身長、
凛々しいとも綺麗とも言え
なんとも言えない色気と
王者の風格を持つ彼

龍宮遼

世界的な財閥に当たる龍宮財閥

その後継者である

そして彼の母方の祖父は
政治家の中の政治家と言われる
有名代議士でもある

「また、違う車かよ」

「俺はバイクが良いんだがな、
せっかく免許も取れたんだぞ」

「大事にされてんな」

「まあな」

雄大と遼の会話を微笑みながら、
聞いている華月

彼らは特進科でも群を抜く名家

この嵯峨学園のプリンスである

いくらズボンを履いても女である
彼らのファンである特進科の女子
生徒には被害を受けた時期もある

「雄大先行くから」

逃げるが勝ちとさっさと教室に
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