海の恋人~人魚姫×最強総長~ 【下完】
「おいっ、亜季!美海、追いかけなくていいのかよ!?」
光は、さっきから椅子に座ったまま全然動かず、表情も一切変えない亜季の肩を激しく揺さぶりながら尋ねる。
「はあー…」
深いため息をつく亜季。
「そんな、溜め息ついてないで早く行けよ!!」
チラッと光に目をやる。
「海斗にチャンスあげちゃって、光…あんま邪魔すると、殺しちゃうよ?」
ニッコリと綺麗に笑っている亜季の顔は、何故かとても歪んで見えた。
光の背筋は凍りつき、一言も発することは出来なかった。