海の恋人~人魚姫×最強総長~ 【下完】
「待てっ……!」
ハルルの手と私の手が後少しで重なるという所で、愛しい声が耳に入る。
私は直ぐに伸ばしていた指先を引っ込める。
「海、斗…思い出せたんですか?」
「……思い出して、無い。」
少し気まづそうに、視線を地面に落とす海斗。
「でも、此だけは解る。お前は俺の大切な人。」
私は海斗の方に足を進め様とした。
「……姫乃様!」
「ハルル…放して。」
強引に私の腕を引っ張り、海の世界に連れ込もうとする。