いじわるな後輩くん×ツンデレな先輩



楓夏はくるっと後ろを向いてそのまま
元来た方向へ歩いていく。


「呆れた。」

そう言って楓夏もまた俺の元から立ち去った。






瞼を閉じるとあの日…ぶつかった日の事が鮮明に思い出される。


窓の外を見ていた先輩は何を思って見ていたんだろう。


そして俺は…









さぼっていた3時間目の授業の終了のチャイムが鳴った。


廊下には移動教室から返ってくる2年がこっちを不思議そうに見ている。


その群れと逆方向から息を切らした七海が走って来て俺を見つけるや否や教室に駆け込んできた。


「そうちゃんッ!」

「・・・・」

その目はうっすら泣いているようにも見えた。


ギュッと七海が俺の体に抱きつく。


< 123 / 187 >

この作品をシェア

pagetop