いじわるな後輩くん×ツンデレな先輩
「コロはあたしの犬!あたしもちゃんと散歩いくし!」
可愛げのない楓夏は顔を膨らせ隣をチョコチョコとついてくる。
でも何か話すってわけでもなくしんみりとした空気が漂う。
「「あのさ…。 あっ…」」
黒い大きな瞳と真っ赤な頬がなんだかいつもの楓夏に見えない。
今日は何だか違う気がする。
「さき…いいよ」
「おう」
土手をゆっくりと歩きながら楓夏に康の話しを問う。
「何で、康に嘘ついたんだ?」
確かめたくて聞いてみた。
「…ごめん」
うつむきながら謝る楓夏の姿が不思議に思った。
「んで??」
「へっ?」
「意味わかったよ。俺。あやまるいみわかんねーし」
「…だって」
「だいたいよ、楓夏にお礼を言わなきゃ行けねーし俺」
ムッスリとしながらまだうつむいている楓夏の頭にポンと手をやると驚くような表情でこちらに顔を向けた。
「ありがとなっ」