いじわるな後輩くん×ツンデレな先輩
親とか姉貴とかがずっとこっちを見ていたから
子機に変えてリビングを出た。
玄関に座り込んだ。
《ごめんね、相太君》
「何を謝ってるんですか」
《あたしね…あたしね全部近藤ちゃんから聞いたの》
楓夏…何を話したんだよ…
「そうですか」
電話越しに聞こえてくる先輩の声は本当に安心できる。
ずっとこのまま話していたい。
でも…でも。
「あの先輩」
《ん?何?》
「先輩に話したいことがあります」
《何…》
「これから俺先輩に話しかけません」
《え…》
電話越しの声が震えているのがわかった。
ごめん、俺先輩の気持ち分かってる。
自分で言うのもあれだけど、先輩の事からかったりしてるうちにわかってた。
きっと先輩は俺の事好いていてくれてると。