恋愛談義!
ふわっと膝に、何かがかけられる感触。
クロエオードパルファムの匂いが微かに漂ってくる。
おそらく井上礼央のジャケットだ。
「――ありがとう」
お礼を言って、膝に乗ったそれを体に引き寄せた。
礼儀としてお礼を言うだけなのに、妙に気恥ずかしい。
喉につっかかって、うまく言葉が出なかった。
なんでかしらね。
普段は唇に油でも塗ってるんじゃないかって、言葉達者な私なのに。
「どういたしまして。俺起きてるから、気にせず眠ったらいい」