恋愛談義!

鈴川主任は、入社当時、営業で入った私の指導役で
(当時はもちろん役付ではなかったけど)

誰が見ても好感を持つであろう、そんなタイプの男だった。


仕事が出来て

上司からのウケもよくて


いずれ、都内でも有数の老舗ビルに入っている我が社『輸入食品会社・ボナペティート』内のエースになるであろう、そういう存在。



けれど当時鈴川さんには彼女がいて

私はただ、見ているだけ、だったのだけれど。




けどね。

ただ見ているだけと言っても、女子中高生のように

そっと眺めて満足していたわけじゃない。



私が入社して一年は適度な距離を保ちつつ

『出来る後輩、使える後輩』として仕事を真面目にこなし

けれど決しておごらず、折りに触れ鈴川さんに『可愛い後輩』であることも、アピールすることを忘れなかった。



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