恋愛談義!

今後の私の幸せのために、せいぜい利用させてもらうわ。




殺風景な部屋の中に入って、着ていたものを脱ぎ、さっとシャワーを浴びた後、スキニージーンズと薄手のアンサンブルのセットに着替える。

薄いたまご色のアンサンブルは、私によく似合っているし、顔色もよく見せてくれる。お気に入りの一枚だ。


そして髪は、アップにしてくるくると根元に巻きつけ、お団子にした。


ミニトートに財布やハンカチ、携帯を入れて部屋を出ると、ちょうど井上礼央も部屋から出てくるところだった。



「――どこに行くの?」

「マネキンのおばさんが教えてくれたとこ。洋風居酒屋だって」

「ふうん……」



エレベーターに乗って、隣の井上礼央を観察する。


濃いめのデニムにボタンダウンのシャツ。

カジュアルだけれど、よく似合っている。



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