恋愛談義!
あざけるような、自嘲するような、悲しげな声で。
井上礼央はゆっくりと、さらに私の体を引き寄せる。
「ちょ、ちょっと……」
嫌な予感に身をよじる。
「どうしちゃったのよ、井上君? あなたこういうことするタイプじゃないでしょ?」
いつもの冷静さはどこえやら。
久しぶりに本気で焦っている私がいた。
「こういうことってどういうこと?」
「だ、だから、正義感だか責任感だか、ただのお人よしかはわからないけれど、女性にこういう、力で迫ってくるようなことはしないってこと!」
「あ、それ青木サンの思い違い」
「は!?」