恋愛談義!
「私、思わせぶりな男って腹が立つの。何か知ってるっていうのなら正直に話せばいいじゃない」
「はぁ? これだってお前の得意な駆け引きだろ? 自分は黙ってるくせに、俺には正直に話せって?」
「そうよ」
「――」
井上礼央は両手を腰にあてうつむいたまま無言で立ち上がり、それからぽつりとつぶやいた。
「思わせぶりなのはどっちなんだよ……」
「――」
「もういいっ……」
そして彼は、私を置いてスタスタとホテルのほうへと向かう。
なんなのよ、いったい……。