恋愛談義!

顔を上げると、はぁはぁと息を切らした井上礼央が私の前に立っていた。


私といえば、どのくらいボーッと突っ立っていたのか。


体がこわばっていて、動こうにも動けない。



「――なによ」

「ごめん」

「は?」

「泣かすつもりなかった。ごめん」



深々と頭を下げる井上礼央。



「なに言って……」



誰が泣くって?


失笑すると同時に、頬に涙が伝う感触がした。


いちごだいふくちゃんのことを思って、涙をこぼせる左目じゃない。

右目から。



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