恋愛談義!
私が男の前で流す涙には意味がある。
OKのサインだ。
慰めてくれてもいいわよと
ブラウスのボタンを外すのと一緒だ。
「勘違い、しないでよねっ……こんなの意味ないんだからっ……」
震えつつ、ハンカチを探すためにバッグをかき回していると、手から力が抜けてバッグを落としてしまった。
すると井上礼央がしゃがみこんでバッグを拾い、散らばった中身をまたバッグの中に入れる。
「はい」
差し出されたバッグを見ると、目の前が真っ赤になった。
屈辱に震えて一歩後ずさる。