恋愛談義!
「先輩、彼女いるくせに……からかわないでください……」
私は右横に顔をそむけ。
それから左目から、ぽろり、と涙をこぼす。
その昔、飼っていた猫のいちごだいふくちゃんが死んだときのことを思い出せば、私はいつだって真珠の涙をこぼせるんだ。
ワインを飲んで酔った鈴川さんの目には
さぞかし私の泣き顔は可憐に映ったことだろう。
こいつは俺に惚れてるんじゃないかと
男のプライドをくすぐったことだろう。
「ちかこ!」
案の定、鈴川さんは感極まったように私を抱きしめる。
ミシミシと骨がきしむ音がする。
いてーよ、少しは力の加減考えろよ!