…TRIANGLE…

 その事実が私を苦しめる。


 下着がズレた。隼斗の肌が熱い。肩にあたる吐息が艶めかしいのに、隼斗は冷静だ。



「穂香…………なんで泣くんだよ……」


「……隼斗」




 分からない。なんで涙が出てくるんだろう。

 呆れたようなため息が聞こえた。隣にドサッと倒れた隼斗は、私に背を向けた。



「穂香さ、俺と付き合ってて何が楽しい……?」


「た、楽しいよ? 色んなことが楽しいよ……DVD観たり……買い物したり……公園行ったり……」


 涙を拭いて、楽しいことを一生懸命考えた。


「それから、バスケの応援も楽しい。夏休み終わって新学期に試合があるんだよね? すごく楽しみにしてるよ」





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