…TRIANGLE…
見下されてる……
私、多分、亜里沙ちゃんと和葉ちゃんに見下されてるんだ。
「あのね、私たち友達だから教えてあげる。実は隼斗のことなんだけどさ」
「隼斗? 隼斗がどうしたの?」
亜里沙ちゃんと和葉ちゃんはもう一度視線を合わせた。亜里沙ちゃんは吹き出してしまいたいのを我慢しているかのように、でもわざとらしく神妙な表情をつくる。
「見ちゃったんだよね……女の人と手繋いで歩いてたよ。和葉と遊んだ帰りで、駅前のマンションに二人で入っていった」
何かの冗談かもしれない。
二人が「嘘だよ、冗談だよ! 穂香ってば本気にしたでしょ?」と私をバカにしながら笑ってくれるのを待つ。
「これ、写真撮っちゃった……」
和葉ちゃんの手の中で、それは間違いなく隼斗の横顔で、隣の女の人の顔はわからない。だけど、私より全然大人っぽそうな人だ」
「隼斗、お姉さん二人いるから、お姉さんかもしれない」
でも、それが隼斗のお姉さんじゃないのは一目でわかって嘘をついた。
美咲が心配そうに私と亜里沙ちゃんたちを見比べていた。心配するなら助けてよ。