…TRIANGLE…
────「隼斗っ! ナツっ! おまえら、まさか喧嘩とかじゃねーよな? この大切な時に! 試合、再来週だぞっ!! インターハイ予選がはじまるんだぞ!」
夏休みが終わって、怠い始業式。体育館に移動中の渡り廊下で必要以上にヤスが騒ぐ。お互い顔に傷がついてるのが目立つのか、他の奴らにもジロジロと見られてる。
隼斗はヤスを無視してさっさと体育館に入っていった。その入り口で真っ青な顔して立ちすくんでる穂香も無視しやがった。
「ナツくん……」
「穂香、大丈夫。心配すんな」
穂香の髪をくしゃっと撫でて、うるさいヤスと一緒にクラスの列に並ぶ。
「ナツ、おまえと隼斗がうまくいかなきゃ点が入らないんだよ。わかってるだろ? おまえたち二人でエースなんだよ! だから、今すぐ仲直りしやがれ! 隼斗は大人だから、ナツさえ謝ればうまくいくって、目に見えてんだ!」
「なんで俺が……」