…TRIANGLE…


 教室の中はエアコンがきいていて、ちょっと生き返る。

 大声だして注目集めてる奴や、それを見てゲラゲラ笑ってる奴を冷やかして席につく。


「ナツー、久しぶり! 会いたかったよ」


 亜里沙が暑苦しい巻き髪を揺らして俺の隣に座った。


「ねー、ねー、いいものがあるんだけど」


 亜里沙は、じゃーん、と二枚のチケットを俺の机に置いた。


「あ! これdjリーグの観戦チケット!」


 プロバスケットボールのリーグ戦のチケットを出されて、それにかぶりつく。


 うわー、これ隼斗も見たがってたやつだ!


 ウエストカンファネスの試合は今シーズン、このどっちかのチームが優勝するんじゃないかって噂されてる。


 見たい……行きたい……


 期待の眼差しで亜里沙を見つめると、亜里沙はこってりとした唇が引きあがる。



「もちろん、ナツにあげるよ。パパが知り合いからもらって行かないからって私にくれたの」


「マジで? 亜里沙、おまえ超いい奴だな!」



 
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