…TRIANGLE…
「あの時はさ、穂香に無理言ってナツくん誘ってもらったの。私がワガママ言って穂香がそれにこたえてくれて……」
「穂香はそういつ奴だから、気にしてねーよ」
美咲は泣きそうな目をして、うん、と俯いた。
「だから、お願い。あの日のこと亜里沙ちゃんには絶対言わないで」
「はあ? なんで? 亜里沙関係ないし」
「関係なくないんだよ! 亜里沙ちゃん、今本気でナツくんが好きだし、私がズルして夏祭り一緒に行ったのがバレちゃうと、穂香も私もマズいの! お願い! 絶対内緒にして! 隼斗くんには、もう話てあるから!」
美咲は一方的に話を終わらせて、家庭科室から飛び出していった。
「なんだよ、あいつ……」
ていうか、頼まれたって誰かに夏祭りの話する気なんてない。
変な奴…………