…TRIANGLE…

 部活後の夜道、隼斗は俺を追い抜いて自転車で去った。


「おい、ナツ。まじでやばくねぇか? 隼斗、相当怒ってるぞ」


「怒ってんのは、こっちも同じだ」


 ヤスは俺の隣で納得いかない顔をした。


「何があったか知らねーけど、バスケに影響出まくりじゃん。はっきり言って、今日のナツじゃスタメン外されるぞ」



 そんなの言われなくても、自分が一番それを理解してるし、自分が一番それが悔しいんだ。



「わかってるよ! 明日は大丈夫だっての! じゃーな!」


 立ちこぎでペダルを踏み込むと、隼斗が消えた道を進む。



「はやく仲直りしろよーっ」


 
 仲直りなんて永久にできないかもな。あいつの穂香にたいする物の言い様は、絶対に許せねぇ。


 それは穂香が俺の大切な幼なじみで、友達だから……好きとか、そういうんじゃ…………ないんだ。多分。



< 131 / 254 >

この作品をシェア

pagetop